MRI検査の装置をもっと快適に

検診でMRIの装置に入ったことがある人は結構いるのではないだろうか。中には閉所恐怖所で装置の中で耐えられなくなったという人もいるかもしれない。病気の検査なのだから我慢が必要と思うものの、テーマパークのような楽しさがあれば、怖いと思う人もいなくなるのではないだろうか。

記事掲載日:2017.01.22(この記事は 2019.06.15に修正されました)

梅宮と定吉は医療機器メーカーのフォーラムに来ていた。
今回のフォーラムでは医療機器の検査器具を扱っており、まだ医療現場に出る前の装置も出展されている。

「いろいろありますね」

定吉が会場を見渡して、梅宮に視線を向けた。
梅宮は会場図に目を通していた。今回の目的は「MRI」だ。MRIの相場は1億円からということもあり、それほど多く出展されていない。

「先輩、何か検査したことあります? 実は俺、まだ一度も検査という検査をしたことがないんですよね」

定吉は27歳だ。検査したことがないのも当然かもしれない。

「MRIなら前に受けたことがあるよ」

「どうでした?」

どうと聞かれても特に何がどうということもないが、定吉が期待しているので返事をしないわけにもいかない。

「そうだな、ちょっと狭くて暗いかな。それと画像を撮影しているような音が始終していたな」

「あ、それよく聞くやつですね」

「試していかれませんか」

定吉が目を輝かせたとき、某医療機器メーカーの男性が声をかけてきた。
梅宮が断ろうとしたが、定吉が「はい」と返事を返してしまっていた。おまけに梅宮に入るよう笑みを浮かべている。

「実際に撮影するわけではないので、服はそのままで結構ですよ。」

梅宮は男性に促されるまま、定吉に鞄を渡し、横になった。ゆっくりと筒状の中に吸い込まれてゆく。気のせいか以前、検査を受けた時よりも動きがスムーズに思えた。

「それでは始めます」

男性の声が聞こえ、梅宮はまたあの機械音が聞こえてくるのを覚悟した。しかし聞こえてきたのは機械音ではない。どこかで聞いた曲だ。

「今流れているのは、ドヴォルザークの『新世界』です。今は1曲だけですが、検査を受ける人が選べるように開発しているところです。」

梅宮は、1~2分『新世界』を聴き、MRIから出た。

数年前、人生初のMRI検査を受けた。

音がうるさいということでヘッドホンをつけ、MRI装置の中へ入る。しばらくするとMRIの作動音が聞こえてきた。ヘッドホンをつけていても聞こえるのだから、相当大きな音なのだろう。だた、しばらくするとなれてしまい、眠気に襲われた。寝ると何だか不謹慎な気がしたので、目を開けていたが、寝ないように思いを巡らしていた。その時、閉所恐怖症や暗所恐怖症の人は大変だろうなと考えていた。

もっとテーマパークの装置のようになったなら

以前テレビで開発中の新型MRIを見たことがあった。MRIの装置の中の壁をスクリーンとして、海中の映像を映すというものだ。ただ白く薄暗い天井ではなく、海中の映像が映し出されるのだ。澄んだ水と魚が泳いでいる。海の中を浮遊しているような雰囲気のまま検査を受けることができるので、狭さを感じさず、暗さもないのだという。

もし、これに本記事のような音楽が流れるようになったなら、「怖い」というイメージは完全に払拭できるのではないだろうか。

個人的には怖さは全くなく、目を瞑ってしまえば狭さも暗さも気にならないのだが、音はピーガガガとなり続けているので、音楽でも流れればいいのにと思ったことを覚えている。そもそもヘッドホンをするのなら、そこから音楽を流せばいいのにとも思った。しかし音楽も電波だだ。音楽を流すとその電波がMRIの邪魔をするのかもしれない。

病気の検査なのだから、仕方がないと言えば仕方がないが、できれば快適に検査を受けたいと思ってしまうのが心情。開発が進んで誰でも気軽に検査が受けられるようになればいいのに。(気軽に受けられる検査費用でもないけれど。)

松江ブログ(M2エムツー)

HOME > CATEGORY LIST > つぶやき隊 > ショートストーリー > MRI検査の装置をもっと快適に

ページトップへ