MATSUTE BLOG松江ブログ（M2エムツー）

記事掲載日：2017.06.06（この記事は 2019.07.28に修正されました）

美弥は大きくため息をついた。

大して食べているわけでもないのに体重が増えていく。始めは1kgだった。大した重さではないと放っておいたら、自然に戻っていた。ところが３年前から戻らなくなり、気がつけてば３年で３kg、きっちり１年に１kg体重が重くなっている。人によってはどうでもいい重さかもしれない。だが足がひと回りかふと回り太くなり、パンツ（ズボン）が閉まらない。上着のボタンが閉まらない服もある。このまま進めば服を総取りかえしなければならなくなってしまう。それだけは阻止しなければならない。

さて何をしたものかと、人に相談してみると「食事制限が必要だ」「体を動かさないと」というアドバイスが返ってくる。それができれば苦労はしない。普段から大して食べていないのだ。これ以上、胃が小さくなっては困る。かといって冬の朝は寒い。とても歩けない。時間もないので運動も無理だ。ジムに通うほど生活にゆとりがあるわけでもない。美弥は何かいい方法はないのかと思いながら、テレビを眺めていた。

「食事制限なし、１日３個レンジで温めた梅干しを食べるだけでやせる」

ある日、テレビを見ていて出会ったダイエット方法だ。
やり方は簡単。電子レンジで30秒温めた梅干しを3食の食事と一緒に摂るというものだ。番組の挑戦者は2kgほど痩せていた。食事制限なし、運動なしで2kgやせられるのなら願ったりかなったりだ。美弥は次の日、梅干しを買いに行った。

梅干しは塩分3％のものにした。
塩分が高いと1日の摂取塩分量をはるかに超えてしまい、体に悪い。

美弥は皿に梅干しを３つのせて、レンジで30秒温めた。
一度に温めてしまうと、昼・夜の分が冷めてしまうではないか、と思うが、冷めても効果はあるという。美弥は昼と夜の分の梅干しをラップで巻き、ひとつを口に放り込んだ。

それから毎日、朝にひとつ、昼にひとつ、そして夜にひとつ、食べ続けた。

外食するときも持ち歩き、店の人の目を盗んで口に放り込んだ。食事と一緒に食べてもいいということだったが、食前なのか、食後なのかを忘れてしまっていた。それでも２週間食べ続けた。

2週間後、体重計にのった。

すると、見事なまでに変わっていない。0.1gも変わっていない。ある意味すごい。美弥は大きく息を吐いた。一体、梅干し代にいくらかかったのだろう。計算するのも空しく、次の日から梅干しを食べるのをやめた。

あとがき

これは実体験に基づいた話。
本当にこれで痩せられるのなら儲けもの、と思ったのだが、儲けるどころか梅干し代を
損しただけだった。ネットで調べてみると成功している人もいるようなので体質や生活習慣などもあるのかもしれない。

どうでもいい追記だが、塩分を控えていない普通の梅干しを電子レンジに入れたら、途中で聞いたことのない音が聞こえ、えらいことになったので、決しておすすめしない。