テレビ派? それとも、ネット派?

視聴率の良い番組を後追いで見る人もいるけれど、視聴率のあまり良くない番組の中にも面白い番組はある。テレビ派が減っているけどれ、「面白い番組やってないかな」と探すのではなく、なんとなくテレビをつけて、なんとなく別のことをやりながら見ていると「なにこれ、こんな番組やってたの!」と発見することもあるので、ぜひ、目的なくのんびり見てほしい。

記事掲載日:2017.01.07(この記事は 2019.06.15に修正されました)

「また、スマホ見ているのか」

梅宮は昼休みから戻ると、スマートフォンの画面に見入っている定吉に声をかけた。

「先輩、おかえりなさい。いや、なんか、癖みたくなっちゃって。つい、見ちゃうんですよ」

定吉の返事に梅宮は苦い笑みを浮かべる。

「そういえば、先輩、あまりスマホとかみませんよね」

「調べものがあるときに使うけどな。まぁ、それもパソコンを立ち上げるのが面倒な時か、外にいるときくらいだな」

梅宮の言葉に今度は定吉が渋い顔をする。

「家に帰ってから、スマホ使わないんですか?」

「ほとんど使わないな」

梅宮のそっけない言葉に定吉がうなずいた。

「そういえば、先輩テレビっ子ですもんね」

梅宮が定吉に渋い視線を向けた。

テレビっ子

ひと昔前までは、テレビ派が多かった気がするが、最近テレビを見ているというと驚かれることが多くなった。

私の職場では「テレビがない」という人が多く、「テレビを見ない」という人と合わせると8割を占めてしまう。私は、私の世代ではテレビっ子というほどではなかったが、今の人たちから比べるとはるかにテレビっ子と言える。

家に帰れば必ずテレビをつけ、まずはチャンネルを回す。(今は、ボタンを押すが正解だろうか)。テレビを見ない人の言葉はたいてい決まっていて「面白い番組やっています?」「面白い番組ないですよね」もしくは、「くだらない番組しかやってないじゃないですか」というものだ。確かに「面白いか」と聞かれれば、すべて面白いというわけではない。

だが、それをいってしまえばネット上の情報も同じような気がする。

個人的にはほぼ無趣味で、調べものがあるときを除いてネット検索をすることがない。それゆえに、検索しなくてよいテレビの方が断然、楽なのだ。つけておけば、何かしら情報が入ってくる。その中で「なるほど」と思うことに出会うこともある。

私にとってテレビの良さは、自分の意志とは無関係に、情報を流してくれること。

見る番組を選んでいるので多少は興味のある範囲のものではあるが、テレビから流れる情報が必ずしも自分の興味のあることとは限らない。時にはまったく知らない世界の話のこともある。自分とは関係のない世界の知識を得て一体何の意味があるのか、と聞かれれば返す言葉もないが、それでも番組をみていて常々抱えていた疑問の答えや、面白いアイデアなどが突如「ひらめく」ことがある。

もっとも、テレビを見ながらスマホを見ているときもあるので、スマホやネットを否定する気はさらさらない。便利は便利。なければ無職となってしまうので、大切な存在。

松江ブログ(M2エムツー)

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