誰かのとばっちりで、嫌な気持ちになるとき
ある日曜日。私は朝昼兼用の食事をしようとMUJI CAFEにいた。
食事を選び、さぁ、食べようと思ったとき、私の隣の席に「ここの方がいいね」と話しながら親子がやってきた。聞こえてきた話の内容から、どこかに席を取っていて、移動してこようとしていることが分かった。4人用に席をくっつけ、子供を座らせた母親は、プレートを取ってくると姿を消した。そのあと、子供が「僕も」と席を立った。そのとき、事件は起こった。
ある日曜日。私は朝昼兼用の食事をしようとMUJI CAFEにいた。
食事を選び、さぁ、食べようと思ったとき、私の隣の席に「ここの方がいいね」と話しながら親子がやってきた。聞こえてきた話の内容から、どこかに席を取っていて、移動してこようとしていることが分かった。4人用に席をくっつけ、子供を座らせた母親は、プレートを取ってくると姿を消した。そのあと、子供が「僕も」と席を立った。そのとき、事件は起こった。
記事掲載日:2018.09.04(この記事は 2019.06.15に修正されました)
「そこ、席とってたんです。子どもを座らせておいたんですけど」
いきなりけんかごしだ。女の人がムッとする。当然だ。子どもは座っておらず、プレートは置いていない。ご存じない方に説明しておくと、MUJI CAFEは、席を取りましたと言う証に「楽」「草」「田」などかかれたプレートを席に置くシステムになっている。
女の人がプレートを置くのも無理のない状態だった。
「だったらプレート置いておいてよ」ぼそっと女の人が言った。その言葉に火がついたのか「だから今取りに行っていたんです。子どもを座らせて」と母親が鋭い視線を向ける。くどいようだが、子供は座っていなかった。そしてプレートを置いた時点で席とりが完了するシステムである。気持ちはわからなくもないが、どちらかといえば女の人が正しい。
もし、女の人が席に座ろうととしていたとき「すみません。そこ座ろうと思ってプレートを取りに行っていたんです」と母親が明るく言っていたら、問題は起こらなかったのかもしれない。
女の人が別の席へ移動したとき、父親がやってきた。
母親のムッとした顔に「どうかしたの?」と聞いた。「今、すごいむかつく女の人がいたの」と母親が説明する。何度も言うが女の人は決して悪くない。もし、よくなかったとすれば「そうなんですか。プレートが置いてなかったから」と明るく返していればと思えないこともないことくらいで、女の人に非はないのである。物事を一方から判断するとねじ曲がってしまうこともあるのだなと痛感した。勢いに任せて、捲し立てた方が、どれほど正しくなかったとしても勝ることもある。そのあと父親が何言おうものなら、説明しようとも思ったが、幸い、父親は何も言わず、席に着いた。
結局、席を移ったと思った女の人は、MUJI CAFEから姿を消していた。
そして私も楽しく食べようと思った心は砕かれ、いま起こった出来事にモヤモヤしながら食事をした。
言い方ひとつ。波風を立てる必要はない。
本人も相手も、そして周りにいる人もみんなが嫌な思いをする。
人の振り見て我が振り直せとつくづく感じた朝。とばっちりで何とも悪いスタートを切った。
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