豪華客船のワンナイトクルーズでもいいから乗ってみたい
今年に入って旅先の港に豪華客船が停泊しているところに遭遇した。遠目から見ても通常の船の何倍もある。近づくにつれてその全貌がみえてくるとさほど興味があったわけでもないのにテンションが上がった。まるでマンションが動いていると言ってもいいほどのおおきさ。世界一周は無理としても人生で一度くらい豪華客船にのってみたいと思ってしまう迫力だった。しかし、一筋縄ではいかなさそうだ。
今年に入って旅先の港に豪華客船が停泊しているところに遭遇した。遠目から見ても通常の船の何倍もある。近づくにつれてその全貌がみえてくるとさほど興味があったわけでもないのにテンションが上がった。まるでマンションが動いていると言ってもいいほどのおおきさ。世界一周は無理としても人生で一度くらい豪華客船にのってみたいと思ってしまう迫力だった。しかし、一筋縄ではいかなさそうだ。
記事掲載日:2017.07.17(この記事は 2019.06.15に修正されました)
「あれ、何、調べてるんだ?」
昼休みに京子がタブレットで調べものをしていると同期の増田が声をかけてきた。京子が返事をしないので、増田がタブレットを覗き込む。
「なに、豪華客船? 世界旅行にでも行くの?」
「まさか」
京子が顔を横に振る。
「この間、久しぶりに友だちとあったら、いつかみんなで豪華客船にのりたいって話になったの。それでどんなツアーがあるのか参考までに見ていたところ」
それがほんの少し調べただけで、断念しそうになっている。どれもかなり高額なのだ。
「あれ、でもおまえ、パスポート持ってたっけ?」
「持ってない。だから、国内のツアーを探しているところ」
「国内のツアーでも、外国籍の船だとどこか一か所、海外の港に泊まるはずだぞ」
確かに、増田の言う通りだった。見ていたツアーは、必ず、釜山などに止まっている。
「確か、外国籍の船は日本国内のツアーであっても海外の港に泊まらなければならないルールがあるんだよ。船から下りないとしてもパスポートの取得が必須だよ。それか、あとは日本国籍の船にするかだな」
「やけに詳しいね」
「数年前からブームになり始めているからな」
そうだった。京子は心の中でうなずいた。増田は合コンなどのため情報収集をかかさない人間だった。
「ついでに教えちゃうと、日本国籍の船は、飛鳥Ⅱ、ぱしふぃっくびいなす、にっぽん丸の三隻のみだったと思うよ。その船でなら、海外に行かないところであればパスポートは必要ない。まぁ、豪華客船にのりたいって外国籍の船をみていたなら大きさ的には飛鳥Ⅱだろうな。あれ、そもそも何日のツアー?」
京子は眉を寄せた。具体的にはまだ何も決まっていない。参加者のスケジュール調整や金額的なことを考えると三泊四日が限界だ。
「ツアーの内容もちゃんとチェックしないと、夕食にドレスコードがあったりするぞ」
「三泊四日でも」
「どうだろうな。それくらい短いとわからないけど、カジュアル、フォーマル、インフォーマルみたいなローテーションが組まれているって話もきいたことがあるから、しっかりチェックしないと。フォーマルの日になんかあたったら大変だぜ」
京子はタブレットから目を離した。たかが三泊四日で、インフォーマルやらフォーマルなどといった日があったら、一体どれくらいの荷物を持っていかなければならないのか。そもそもその服を買いそろえるところから始めなければならないかもしれない。ちょっと乗っていみたいと思って盛り上がったのだが、服装のことを考えると面倒な気がし始めた。
あとがき
高校生の頃「夢の中で」30階だてくらいの船に乗ったことがある。その頃は、そんな船を作りたいと思っていた。今やどんどん大きな船が登場し、ツアーがでてきている。どうせ乗るならいい部屋とまりたいと調べてみたところ、飛鳥Ⅱのアスカスイートという部屋でワンナイトクルーズ約13万円だった。ちょっと豪華な旅行が2回はできる。一夜にして13万はかなり勇気のいる決断だ。しかもルールが結構あって大変だ。世界一周など長期の人向けだと思うが、事前説明会なるものもまであった。
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