MATSUTE BLOG松江ブログ（M2エムツー）

記事掲載日：2017.01.12（この記事は 2019.06.15に修正されました）

大奥　よしながふみ　ジェッツコミックス

物語のはじまりは3代将軍家光の時代。

赤面疱瘡(あかづらほうそう)という伝染病が流行し始める。赤面疱瘡は、天然痘のような伝染病で治療法が見つからない病。どういうわけか、女の子はかからず、成人前の男の子がかかり、三人に二人は死んでしまうという恐ろしい死の病。

治療法もなく男子が減っていく世の中で、ついには3代将軍・家光もこの病にかかり亡くなってしまう。

しかし、春日局がそのことを隠蔽。家光の落胤・千恵を影武者に立てる。それ以降、男女逆転の世の中となり、代々、女性が将軍を継いでゆくことになる。

時折、時代が交差するものの基本的には、3代将軍家光から順番に登場してくるので、ちょっとした勉強にもなる。というと歴史は苦手でと敬遠してしまうかもしれないが、歴史の教科書で習った人物や内容＋αの知識で読めるので、難しくはない。

登場人物は実際に存在した人物がほとんどなので、読んでいくうちに徳川家に詳しくなってくるかも。といっても、男女間の話も多いので、小中学生にはおすすめできないかも（今どきはそうでもないのかな）。

ドラマや映画では、男女の色恋沙汰を中心に描かれていたので、その手の話が苦手な人は漫画にまで到達しないかもしれないが、実際、漫画では政治的な部分も多く描かれている。男女間のドロドロもあるにはあるが、さまざまな立場で登場人物が苦悩していると印象の方が強い。立場、出生、性別、偏見、そういった中で、強く生きようとするもの、流されてしまうもの、堕ちていってしまうもの。いろんな人物が登場する。

何より、実際の歴史の中に、うまくこの男女入れ替わり現象をリンクされているのは、見事。
鎖国の理由もこの男女逆転の世を隠すための奇策として、描かれている。なるほど。と思わず納得しそうになる説明もある。

現在は、篤姫が登場しようというところまで単行本が発売されている。
江戸幕府という設定からするとそろそろ終焉に向かっていると思われる。最後がどうなるのか楽しみ。

お試し版みつけました。
引用：コミックシーモア「大奥」